この「ONE PIECE インタビュー」ページは「ONE PIECE」のインタビュー記事を掲載しています。
尾田栄一郎さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」で、初代オープニングテーマ(OP)「ウィーアー!」、エンディングテーマ(ED)「memories」をそれぞれ担当したきただにひろしさん、大槻マキさんが、エッグヘッド編のOP、EDを担当していることが話題になっている。きただにさんと大槻さんがそろってOP、EDを担当するのは、初代以来、約25年ぶり。テレビアニメが25周年を迎えることを記念して、初代OP、EDコンビが復活した。きただにさん、大槻さんに、新OP「あーーっす!」、新ED「Dear sunrise」、「ONE PIECE」への思いを聞いた。
◇「あーーっす!」の挑戦状
--テレビアニメ25周年のタイミングでOP、EDを担当することになりました。
きただにさん この2人で25周年というのが熱いですよね! うれしかったです。
大槻さん そうですよね。
--楽曲の印象は?
きただにさん 最初に聞いて、こうきたか!となりました。毎回そうなんですよ。公平さん(作曲した田中公平さん)は多分プレッシャーだと思うんです。「ウィーアー!」を超える曲……という思いもあるはずで、「ウィーゴー!」「OVER THE TOP」、今回の「あーーっす!」は壮大な楽曲で、全ての曲に言えることですが、ワクワク感があります。一番が終わったら、楽器のソロパートになる。お決まりになっていますよね。そして、最後にタイトルを叫ぶ。子供の頃に聴いてきたアニソンの素晴らしさを大事にしています。「ウィーゴー!」は転調しまくりで、いい意味で変態的なところもありましたが、今回はストレートです。でも、譜面では細かいことをいろいろやっています。きただにの声を生かすために、挑戦状をたたきつけられているようにも感じています。今までやったことがないことですが、最後に「G」の音が入ります。毎回、トライをさせていただいています。トラップビートも今までありませんでした。藤林さん(作詞を担当する藤林聖子さん)も俺も進化し続けています。それに、何回聴いても飽きないスルメ曲でもあります。
大槻さん 「memories」をほうふつさせるのですが、あのままではなくて、25年たったアンサーソングという雰囲気を感じていました。「memories」の頃は「ONE PIECE」のことをあまり知らなかったのですが、今回は完全に知っている状態で歌詞を書きましたし。
きただにさん 今や大ファンですからね。
大槻さん そうですね。ただ、中にあまり入り込みすぎないで、ファン目線で書いたところもあります。
--お互いの楽曲の印象は?
きただにさん どうくるのかな?と思っていたら、こうくるのか!とわしづかみにされました。「太陽のように」で「の」のタメが生まれています。これがすごいんです。「オトナになっても忘れたくない」の「忘れたくない」でトップにいく。すごくいいんです。譜割りが面白いんです。
大槻さん 感動しました! いち早く聴かせていただく機会がありまして、最初に、なんじゃ!?となりました。こんなに格好よく歌えるんだ!って。これまでとは全く違う感覚で、斬新なんです。今までも格好よかったけど、倍々になっています。今までの曲でも、やっぱり歌唱力がすごかったけど、さらにすごいんです。とにかく度肝を抜かれました。口ずさみたくなります。
ーー「あーーっす!」は“挑戦状”というお話もありましたが、驚きにあふれた楽曲になっています。
きただにさん 挑戦状をたたきつけられるから、いい作品が生まれるし、自分もレベルアップできるんです。長い付き合いですし、どの曲も俺のオーダメードみたいになっている(笑い)。マジ?ともなるけど、
大槻さん 本当にすごいです。マライア・キャリーみたいで、どこまで上がるの?となりますよね。今後、超音波くらいまでいっちゃうんじゃないですか! 今後も楽しみです。
きただにさん 年を取る度にキーが上がっていくんです。
◇ジンクスを作らない
--25年でレベルアップしていることは?
きただにさん 25年分、成長していると思います。「ウィーアー!」を聴くと若いかな?と思うところもありますしね。パフォーマンス面でもさまざまな経験をさせていただき、メンタル、フィジカルで成長しています。今も変わらず歌えていますし。もっともっと成長したいという気持ちがあります。
--喉のケアで気を付けていることはありますか?
きただにさん あえて過保護にしないことですね。守りに入ると、人間は弱くなると思うんです。ちょっとスパルタにして、あまり気にしないようにしています。昭和なやり方ですが、甘やかさない方がいいかな?というのが持論です。
大槻さん ジンクスを作らないというお話もしていましたよね。
きただにさん そうそう。例えば、赤いパンツをジンクスにしたら、忘れた時にうまくいかな……となるかもしれません。そこに頼ってはいけない。
大槻さん 私は「memories」の頃、自分の歌い方はこれでいいのかな?と手探り状態でもあったのですが、“大槻マキの声”が定着してきて、「聴けば歌っていると分かる」と言っていただけるようになってから、自由に歌えるようになりました。あまり捕らわれずに、いつもの自分でいることを大事にする。何かを一番大事にしようとしたら、こうじゃなければいけないと思ってしまうけど、いつもの自分が最高の状態であり、それを保つことを大事にしようとしています。
きただにさん それも大事なことですよね。
大槻さん きただにさんは25年たってもこんなに変わらず若々しく、進化し続けていますし、私も見習わないといけません!
◇ずっと愛してくれる人が世界中にいる
--「ONE PIECE」への思いは?
きただにさん 「ONE PIECE」に関わらせていただき、世界のいろいろなところに呼んでいただいています。
大槻さん そうですよね。
きただにさん 海外に行ってもみんなが曲を知ってくれていて、大合唱になります。最初の頃は作品のことをよく分かっていなかったけど、今や俺もマキちゃんも“ONE PIECE愛”にあふれていて、一味になっています。
大槻さん 海外でのライブはサッカーの試合みたいに盛り上がりますよね。
きただにさん 万単位のファンが集まって、ゴールが入ったような盛り上がりですから。声がかき消されてしまうくらいでして(笑い)。感動します。本当に幸せな人生です。切っても切り離せない存在です。
大槻さん そうですね。私も同じです。YouTubeで歌った動画に海外の方のコメントが多いですし、いろいろな場所で歌わせていただき、いろいろな人と仲良くなれます。楽曲をきっかけに、いろいろな人と出会えることが、自分の中で大きなことです。
きただにさん みんなが愛のあれていて、絆があるんですよね。声優さんともみんな仲が良いですし。
大槻さん みんなが一味に見えるんです。ずっと愛してくれる人が世界中にいて、若い世代も聴いてくれています。
きただにさん 25年前の歌ですが、今の子供も知ってくれています。サブスクも大きいんじゃないかな?
大槻さん 第1話から見てくれている子が増えていますよね。歌ってきて本当によかったです!
「ONE PIECE」はフジテレビほかで毎週日曜午前9時半放送。「あーーっす!」「Dear sunrise」のCDが4月10日に発売される。